その際ヒバリの巣を見つけた。
トラクターに踏まれると危ないので、移動したのも束の間、カラスがやって来て虎視眈々と狙っている。
その状況を親鳥は天高く憂い、甲高い声で鳴き叫んでいる。
カラスを追い払い、また作業に戻ったが、ふと自分が自然の営みに突然入って来た招かれざる客なのではないかと思えてきた。
卵を移動した所で結局はカラスにやられてしまう。
あたかも決まっていたかのような、それは摂理なのではないかと思いはじめると、親鳥の悲鳴にもにた鳴き声が、急に春の悦びにも似た美声に聞こえてきたのだから不思議だ。